検察に出頭した朴氏=21日、ソウル(聯合ニュース)
検察に出頭した朴氏=21日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の憲政史上初めて憲法裁判所の罷免決定により失職した朴槿恵(パク・クネ)前大統領が21日午前、検察に出頭した。収賄や職権乱用などの容疑で特別捜査本部の聴取を受ける。昨秋から韓国全体を騒がせてきた、朴氏とその親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の一連の疑惑に対する捜査がヤマ場を迎えることになる。大統領経験者で容疑者として検察の聴取を受けるのは、盧泰愚(ノ・テウ)氏、全斗煥(チョン・ドゥファン)氏、盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏に続き史上4人目だ。 朴氏は午前9時半ごろ、ソウル・瑞草区のソウル中央地検に到着した。12日に青瓦台(大統領府)官邸を退去しソウル・江南区の自宅に戻った後、姿を見せるのは初めて。 検察の庁舎で待ち構える報道陣の前で、朴氏は「国民の皆さんに申し訳ない。誠実に検察の聴取に応じる」と述べた。 聴取は長時間に及びそうだ。朴氏は憲法裁から、崔被告の国政介入と利益追求を手助けしたと認定されている。検察からは特定犯罪加重処罰法上の収賄、職権乱用権利行使妨害、強要、公務上の秘密漏えいなど13の容疑をかけられている。 焦点は、▼40年来の付き合いである崔被告と共謀しサムスングループから430億ウォン(約43億円)台の賄賂を受け取った疑い▼崔被告が実質支配した文化支援財団とスポーツ支援財団に大企業が計774億ウォンの資金を拠出するよう強要した疑い▼崔被告に国家機密47件を渡した疑い――などになるとみられる。中でも量刑が最も重い収賄が鍵を握るとの見方が強い。 検察はまた、崔被告の側近を大企業に役員として採用させるよう強要するなど 崔被告の利益の追求をさまざまな方面から手助けした疑いや、朴政権に批判的な芸術家や俳優ら文化・芸術界関係者を支援対象から外すためリストアップを指示した疑いなどについても調べる計画だ。 しかし、朴氏はこれまでの国民向け談話やメディアのインタビュー、憲法裁判所への意見書などを通じ、崔被告の利益追求を手助けする意図はなかったとの主張を繰り返してきた。 この日の聴取では、検察が朴氏と崔被告の共謀関係、企業をめぐる不正な依頼の存在の立証に注力するのに対し、朴氏は容疑にかかわる事実を知らなかった、あるいは故意ではなかったとの立場を示し、激しい攻防になるとみられる。 検察はこの日のうちに聴取を終えたい考えだが、朴氏が事実関係と法解釈をめぐり検察側と対立し防御権を行使することも予想される。その場合は翌日にずれこむ可能性がある。 検察は元大統領の聴取という特殊性を考慮し、朴氏を再度呼び出すことはせず、裏付け捜査や法の検討などを経て、逮捕状を請求するかどうかを慎重に決定する方針だ。
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