左から俳優イ・ジフン、「超新星」ソンジェ、俳優イ・ゴンミョン
左から俳優イ・ジフン、「超新星」ソンジェ、俳優イ・ゴンミョン
2016年5月、韓国で行われた2週間のトライアウト公演で、 多くの話題と高い評価を集めたミュージカル「インタビュー― お願い、誰か僕を助けて― 」。この度2016年9月の京都公演に続き、3月より東京公演の開催が決定し、制作発表会が2月7日(火)、東京・渋谷シダックスカルチャーホールにて開催された。ファン約100人が見守る中、主演の「超新星」ソンジェ、イ・ジフン、イ・ゴンミョンが登壇し、作品にかける意気込みを語った。

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 ミュージカル「インタビュー」は、 生き残るために自分も知らないうちに自ら自分を破壊し、愛という名で殺人を犯してしまった一人の少年が10年後、 罪悪感という名で再び殺人事件を起こす。その犯人を捜すためのインタビューをしながらストーリーが展開される。 “解離性多重人格”と“殺人”という衝撃的な素材を扱い、 韓国のミュージカル業界はもちろん、昨年の日本公演でも大きな話題を集めた作品だ。

 今回の公演では、 昨年の日本公演にも主演した「超新星」ユナクとソンジェ、そして新たにイ・ジフンが主人公の解離性多重人格者・シンクレア役をトリプルキャストで務める。

 そしてシンクレアをインタビューする作家ユージン・キム役は、韓国公演から演じている人気ミュージカル俳優イ・ゴンミョンが務める。

 主人公のシンクレアについてソンジェは「シンクレアは5人の人格を持っています。だから言ってみれば5人を演じるということになります。シンクレアは子供の頃虐待を受けた少年で、それでもなんとか生き抜いていこうとします。すでにご覧になった方もいらっしゃると思いますが、いろいろなメッセージを持っています」と説明。

 同役に初挑戦するイ・ジフンは、この作品を選んだ理由について「本作が韓国で行われた時、観客や関係者の良い評価をたくさん聞いたんです。それに一つの作品の中でさまざまな人物を見せられるので、俳優としてやってみたいと思いました」と語った。しかし、主人公のシンクレアはかなりセリフが多く「いざ台本をもらったら、果たしてこれが僕にできるのかなと…(笑)」と話して会場を笑わせた。

 練習期間が3週ほどしかないため「個人的にはきつい時間になりそう」と話すとソンジェは「ファイト!」とイ・ジフンを応援。それを見てイ・ジフンは笑顔で「ソンジェも時間がない中、立派にやり遂げましたので、僕も兄さんとして、先輩としてしっかりやらないとと思います」と話した。ソンジェは「昨年僕もとても大変な思いをしました(笑)だからその時の自分のことを思い出して、ジフン先輩を心配しました。でもすばらしい俳優さんですので、必ずやり遂げてくれると思っています。大変ですが…(笑)」と続けた。

 さまざまな人格を持つシンクレアの真実、連続殺人と解離性多重人格という精神疾患の真実を追い求める男ユージン・キムを演じるのはイ・ゴンミョン。昨年ユナク、ソンジェと共演し、二人のシンクレアを見てきた彼は「皆さんが今見ている様子そのままが役に表れると思います。ソンジェはすっきりと端正なシンクレア、そしてユナクはちょっと荒っぽい感じのあるシンクレアでした」と振り返った。

 イ・ジフンについては「紳士的な感じ」と表現するとイ・ジフンが紳士的な?スマイルを見せて会場を笑わせた。イ・ゴンミョンは「僕にとっても三人のシンクレアとの演技がとても楽しみなんです。よろしくお願いします!」と立ち上がって二人に頭を下げると二人も立ち上がって頭を下げるなど、息の合ったチームワークを見せ、期待感を高めた。また「シンクレアを見るユージン・キムの視線というのは、観客の皆さんの視線と重なるところがあります。どうしてシンクレアは多重人格者になったのか、なぜ殺人を犯してしまったのか、それを観察する視線は観客の視線に似ている部分があると思います」とも明かした。

 MCから好きなセリフや印象深いセリフ、歌の一節はあるかという質問を受けるとイ・ゴンミョンは「『今日はぜひ真実に近づきたい』という最初のセリフです。これがユージン・キムをうまく説明している言葉だと思います」とし、続くソンジェに「じゃあ次の人には歌を歌ってもらおうかな…(笑)」と歌をリクエストする無茶ぶり?に3人が爆笑。ソンジェは水を飲もうとペットボトルの蓋を開けようとするも、動揺からなのか開けることができず、イ・ゴンミョンが助ける姿で再び会場を笑わせた。ソンジェは囚人服を着て目を閉じて歌うという曲の一部をアカペラで披露し、ファンを喜ばせた。

 記者からの質疑応答の時間では、イ・ジフンが記者に直接マイクを渡しに行くなど、終始和やかな雰囲気で進行した。シンクレアの中に潜む5人の人格についてソンジェは「ジミーという乱暴な性格のキャラクターがいて、それが最初はとても難しかったです。僕自身性格が良いわけではないけど(笑)大声を出したり人に怒ったりとかはできない性格なんです。ノーネームという落ち着いた性格の人格もいて、それが比較的やりやすく、自分と合っていると思いました。それから幼い男の子と女の子の人格も難しかったです。結論はすべて難しいということです(笑)」と苦労を語った。

 反対にイ・ジフンはジミーを演じることが楽しみだとし「『ジャック・ザ・リッパ―』の最後にジャックに変わる瞬間の気持ちよさがジミーを演じる時にも感じられそうだなと思います。しかし暴力性がある役ですからエネルギーを思いっきり発散させなくてはいけないですよね。ジミーだけでも力を使い果たしてしまうのではないかと思えるくらいで難しいと思いますが、だからこそ楽しみです」と笑顔を見せた。

 制作発表会の後半には当日ドラマ撮影のため参加できなかったユナクからのメッセージも映像で紹介された。そのことを知らなかったソンジェは「マジで!? 」と驚き、思わず足元のペットボトルの水をこぼしてしまい「すみません…(笑)」とお茶目な一面も見せて笑いを誘った。最後にイ・ゴンミョンは「今日この会場にお越しいただきありがとうございます。一生懸命準備し、良い作品を作り上げます。このミュージカルがいかに特別な作品なのか、ぜひ劇場で確認していただきたいです」とアピールした。

 ソンジェも「再演できてうれしいです。京都よりもさらに成長した公演にしたいと思いますので、必ず観に来てください」と意気込み、またイ・ジフンは「韓国の僕の作品を、海を越えて観に来てくださる日本のファンの皆さんへのプレゼントにしたいという気持ちが大きかったです。この公演ができるのも日本のファンの皆さんのお力添えがあってこそだと思います」とファンへの感謝を忘れなかった。

 お互いのコメントに笑い合ったり応援し合ったり、仲睦まじい様子を見せた3人。
イ・ゴンミョンが隣のソンジェの肩に何度も手を添え励ましたり、3人で目を合わせて笑ったりするなど、早くもキャスト同士の息ぴったりな様子がうかがえ、作品に対する期待が一層高まった。

 昨年の京都公演からさらにパワーアップするとみられるミュージカル「インタビュー」を楽しみにしたい。



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