【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が名節の旧正月を翌日に控えた7日、国際社会の度重なる警告を無視する形で、衛星打ち上げと称し事実上の長距離弾道ミサイルを発射した。先月6日の4回目の核実験に続き、再び深刻な挑発に踏み切ったことで、朝鮮半島をめぐる情勢はさらに悪化する見通しだ。 韓国軍の関係者によると、北朝鮮は7日午前9時半(日本時間、以下も)ごろ、北西部の東倉里のミサイル発射場から長距離ミサイルを発射した。北朝鮮のミサイルの探知・追跡を行う韓国軍のイージス艦「世宗大王」と地上の早期警戒レーダー(グリーンパインレーダー)、空中早期警戒管制機(ピースアイ)は同9時31分ごろにミサイルを探知した。世宗大王は最も早く北朝鮮の長距離ミサイルであることを識別した。 ミサイルは9時32分ごろ1段目が分離した後に爆発し、約270の破片が黄海の海上に落下した。9時36分ごろ、東倉里から南790キロ地点の約380キロ上空で衛星保護カバー(フェアリング)が分離された後、レーダーから消えた。 北朝鮮は同日午後0時半、「重大発表」を行い、「地球観測衛星の光明星4号を軌道に進入させることに完全に成功した」と表明した。発射は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の「直接的な指示」で行われたという。 韓国国防部関係者は「(韓国と米国による1回目の分析の結果)北の発射体が軌道に進入したと推定される」として、北朝鮮の長距離ミサイル発射が成功した可能性を示唆した。その上で、「発射体が正常に作動するかどうかは、さらなる分析が必要だ」と説明した。 北朝鮮は長距離ミサイル発射を衛星の打ち上げと主張しているが、国際社会は事実上のミサイル発射と受け止めている。 韓国政府は北朝鮮の長距離ミサイル発射を受け、緊急対応体制に入った。朴槿恵(パク・クネ)大統領はミサイル発射直後、青瓦台(大統領府)で国家安全保障会議(NSC)を緊急招集し、北朝鮮のミサイル発射を「許せない挑発行為」と断じた上で「一日も早く強力な制裁措置をつくるべきだ」と強調した。 韓米両国は共同対応に乗り出した。スカパロッティ韓米連合司令官(在韓米軍司令官兼務)は韓国国防部で開催された緊急対策会議に出席し、「両国間の強い協力は継続される」として、「韓国の防衛や安保のため、あらゆる措置を講じていく」と述べた。韓民求(ハン・ミング)国防部長官は「北に核を放棄しない限り生存できないことを認識させなければならない」として、「北の一連の戦略的な挑発に対し、韓米が同盟精神に基づき、緊密に協力すべきだ」と強調した。 国際社会も対北朝鮮制裁を強化する動きをみせている。韓国と米国、日本の3カ国は合同で国連安全保障理事会の緊急会合の開催を要請したもようだ。安倍晋三首相もNSCを開き、日本独自の制裁を速やかに検討するよう指示した。 中国政府は外務省報道官名義の発表文で、北朝鮮のミサイル発射について「国際社会の反対を無視し弾道ミサイル技術を用いた発射を敢行した」と遺憾の意を示した。 kimchiboxs@yna.co.kr
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