『グエムル~漢江の怪物~』のポン・ジュノ監督=7月、ソウル(聯合)
『グエムル~漢江の怪物~』のポン・ジュノ監督=7月、ソウル(聯合)
2000年の初監督作品『ほえる犬は噛まない』は観客動員数10万人、3年後『殺人の追憶』で550万人、さらに3年後、『グエムル~漢江の怪物~』は韓国映画興行史に記録を更新し続けている。
ポン・ジュノ監督はわずか3本の作品で大きな成果を打ち立てた。作品性と興行力を備えた映画を生み出す監督と評価された。映画が商業性と芸術性を兼ね備えるのはたやすいことではない。全国観客動員数1000万人突破を目前に控えたポン監督に、心境を聞いた。

ポン・ジュノ の最新ニュースまとめ

-最近はどのように過ごしてますか?
「少し前に日本に行ってきました。11日には香港映画祭で香港に行き、すぐにエジンバラ映画祭のために英国に向かいます。グエムル関係のインタビューは200本ほどしたと思いますね」

-来週初めには1000万人を突破しそうだが
「来週初めは無理そう。ほかにもいい家族向け映画が公開されたので、20日頃になるのではと思いますね」

-今のお気持ちは
「とても不思議です。ここまで動員できるとは思いもよりませんでした。作品にはコメディ的要素もあるがそれなりに暗い面もあるし、政治的なアプローチも特別に独創的なものでもなかったので。マスコミ向け試写会が終わった後、評論家や記者が500万人くらいと予想していたので、わたしもその程度と考えていた。(制作費に112億ウォンがかかっており、500万人では損失が出るので)海外にたくさん売れてよかったなあと思っていました(笑)。今はとてもとまどっています」

-なぜここまで観客が『グエムル』に熱狂していると思いますか?
「観客は何を好み、何を嫌うか、自分なりに分析しました。封切前には失敗要素だと思っていた部分が、封切られてみると興行のポイントになっている。結果を見ないと分からないものですね」

-ご自分の映画についての評価は?産業映画と芸術映画の接点をよくつかんでいますが
「そういう区分は自分にはありません。ただ、性格や好みに正直に作ろうと考えています。自分が観たい映画があるのに、誰も撮ってくれないから自分が撮る。映画監督である前に、熱烈な映画ファンだからこそできることだと思います。漢江に怪物が現れるという設定も同じことです。今はヒット作だと言ってもらえますが、最初は皆“どうかしてる”という反応でした」

-『グエムル』は家族向け映画だ、反米映画だなど様々な評価が出ていますが
「怪物と戦う家族がいる。しかし、怪物よりも恐ろしいものは世の中、だから寂しくて悲しい。“皆さんは国や社会に助けられたことがありますか?”と言いたかった。最近のニュースを見ても、世の中には映画と同じようなシチュエーションがいまだにある。とても悲しいことです」

-今後の制作計画は?今作がプレッシャーにもなると思いますが
「まだ40歳前、長い映画人生の中で、今までの映画は初期作品に過ぎないといいたい。ヒッチコックの代表作がすべて還暦を過ぎてのもののように、わたしもその年齢に代表作を作りたいですね。今はまだ試行錯誤の連続で、これからもっと新しい挑戦をしたい。『殺人の追憶』も『グエムル』も、そういった視点では新しいものではありません」

-具体的にどのようなジャンルを撮りたいですか?
「どんなジャンルであれ、それをぶち壊すことになるでしょう(笑)。『殺人の追憶』は犯人が捕まらない犯罪映画ですし、『グエムル』は真昼間、映画の頭で一度に怪物の姿を見せることで怪獣映画のセオリーを壊しましたから」

-ポン監督のファンだという日本の漫画家、浦沢直樹さんと対談されたが。
「とても嬉しい出逢いでした。時間があればもっと話をしたかった。日本語はできないので漫画は読めませんが、最近出ている漫画の主人公の絵を描いてもらったので、絵だけずっと見つめています(笑)」

-次回作の計画は?
「『グエムル』撮影中にシナリオ作業を進めていました。『ポンヌフの恋人』のレオ・カラックス監督と日本人監督と3人で、東京を舞台にオムニバス映画を制作する東京プロジェクトに参加する予定ですが、進行が遅れています」


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