(C)2013 Busan International Film Festival. All rights reserved.
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殺人の追憶」(03)「グエムル-漢江の怪物-」(06)「母なる証明」(09)と作品を発表するごとに、斬新な映像、緻密な構成、完璧なストーリーテリング力で観る者を圧倒し、世界がその才能に注目する監督ポン・ジュノ。監督最新作「スノーピアサー」(原題:雪国列車)が、10月3日から12日まで開催された「第18回釜山国際映画祭」に公式出品された。

韓国映画「殺人の追憶」のキャスト、公開日、あらすじ

 当映画祭に参加中のポン監督と、現代映画界を代表する監督のひとり、クエンティン・タランティーノ監督によるトークショーが急遽実現。映画受賞式のために、先日マカオを訪れていたタランティーノ監督。そこでポン・ジュノ監督が映画祭のために釜山滞在中であることを聞きつけ、面会を切望。自作の出品はなかったにも関わらず、自腹で電撃的に釜山入りしたという。そして、映画祭の公式行事「オープントーク:クエンティン・タランティーノがポン・ジュノに会ったとき」という、夢の2ショット対談が行われた。

 かねてからお互いを意識し合っていたというふたりは、それぞれの監督作について独特な表現で称賛。サプライズ開催となったトークショーには多くの映画ファンが詰めかけ、大きな盛り上がりを見せた。

 10月11日釜山ヘウンデ、映画の殿堂ドゥレラウム広場で、「第18回釜山国際映画祭」の公開対談「オープントーク:クエンティン・タランティーノがポン・ジュノに会ったとき」が行われた。参加したクエンティン・タランティーノ監督は、「ポン監督が素晴らしい映画を作る監督という話はそれまでよく聞いていたけど、『グエムル-漢江の怪物-』を見た時、驚きを禁じ得なかった」とコメント。続けて、「『殺人の追憶』は傑作だよ。スピルバーグの作品は恐ろしくもコミカルなように、ポン・ジュノ監督の作品にもユーモアがある」と話した。彼自身が所有する名画座でこの2本を上映したこともあるのだという。ポン・ジュノ監督は「タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』を観て、続けてデビュー作『レザボア・ドッグス』を探して観た。耳を切るシーンは本当に美しい。結末のシーンで血まみれになった主人公の姿は圧倒的で荘厳でもあった」と返した。

 映画祭組織委員会によると、タランティーノ監督が釜山国際映画祭を訪れたのはことしが初めて。元々予定にはなかったもので、彼は「実は、衝動的にくることになった。授賞式の為にマカオに滞在していて、『イングロリアス・バスターズ』と『スノーピアサー』のキャスティングディレクターである友人のジョハンナ・レイが“ポン監督に会わせてあげるから、釜山に行かないか”と言ってきて、来る事になったんだ」と電撃訪問のいきさつを明かした。

 タランティーノ監督が2009年にUCC動画で「私が最も好きな映画20編」で選んだ中に、ポン・ジュノ監督の「グエムル-漢江の怪物-」と「殺人の追憶」も含まれていた。彼は「グエムル」について、「アメリカや他の国ではこんなおかしな家族がスターになるなんてことは理解不能で、だからこそこの作品が面白く、これこそがジャンルを再構築するということなんだ」と大絶賛。ポン監督は悔しそうな表情で「あなたの映画に登場する人物たちも本当に変ですよ」と切り返して観客の笑いを誘った。

 タランティーノ監督は、スケジュールの都合で「スノーピアサー」は未見。称賛を惜しまないポン監督の初めてのインターナショナルキャスト、スタッフを迎えた全編英語作品をどう観るのか、非常に気になるところだ。2014年2月に全国ロードショーを控える日本でも、業界関係者へのお披露目はまだ行われていないが、すでに大きな期待が高まっている。

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